催眠誘導手順から考える人心操作の極意とは

ジャン・ポール

2022/01/16 03:53

目次
<p><strong>※結論は無料部分までに出てきます。</strong></p> <p>タイトルには「催眠誘導」とありますが、カルトやマルチの勧誘、詐欺でも一部似通った手法が使われています。</p> <p>これらは根底にある思想は違えど「<strong>説得行為</strong>」と言えます。</p> <p>催眠誘導は限定条件下であるものの、本人の意思に反したことを行わせることが短時間で可能となっています。催眠教本のほとんどは「催眠は悪用できない」とか「本人の意思に反したことは起きない」と書かれることが多く、「仮に起きたとしたら本人がどこかで望んでいた」なんてことを言われますが、これは事実の一部でしかありません。</p> <p>悪用の極端な例として、海外では「売店の店主を金縛りにしてポケットから現金を盗む事件」や「銀行にいる老人を操りATMで現金を引き出させそれを奪う事件」が起こっているくらいです。(この2つの事件は監視カメラの映像によって発覚したものであり、水面下ではもっと多い可能性もあります。)</p> <p>カルトや新興宗教の勧誘も本人の意思に反して信者を増やす方法が少ないながらも存在しますし、ある程度体系化されたノウハウがあります。</p> <p>催眠誘導手順とそれらの違いは「催眠」の文脈が存在するかしないかの差しかありません。そもそも催眠の本質は〜って話をすると長いので他所で書いているブログでも読んでください。</p> <p>いずれにせよ、その日、その瞬間だけでも相手の意思を変えて行動に至らせる点ではナンパや営業のテクニックと通じるものがあります。</p> <p>詐欺師については…言うまでもありませんね。</p> <p>もちろん個人差は非常に大きく、催眠に掛からない人もいれば、カルトの勧誘をあっさりと断れる人もいますし、詐欺師に引っかからない人もいます。</p> <p>万人に効果のある手法はありませんし、強力に効くかは相性が大きく関わってきます。</p> <p>仮に効くとしても殆どがフラットな気持ちを少し傾かせる程度ですが、相手に強い意志が無い状態で尚且その人の性質によっては短時間で強い操作を受けてしまうのもまた事実です。<span style="background-color: rgb(255, 255, 255);">ハマる人にはハマるってのは宗教や詐欺によって起こった事件を見れば明らかであります。</span></p> <p>そして、催眠にせよ勧誘にせよ詐欺にせよ、相手を操作する系の手法は全て1つの基本的な原理が存在します。</p> <p>それについて触れる前にまず前提の話から…</p> <h1>前提1:催眠手法の差異</h1> <p>前提として一般的な催眠術師と私とでは催眠誘導に対する考え方がかなり異なります。</p> <p>「手法が他の人とかなり違う」とか「日本であまり見ない方法」とか「イレギュラー過ぎて参考にならない」みたいなことをずっと言われ、起こる現象が同じもののアプローチが広く認識されている催眠のイメージでは無いかも知れません。</p> <p>ただ、私の手法を知る人からは「効率的」という共通の感想を頂いており、その根幹となる考え方や手法が今回のテーマでもあります。</p> <h1>前提2: 心理テクニック()の問題点</h1> <p>巷には「<strong>相手との距離を縮めるなら〇〇しましょう</strong>」みたいなアドバイスが溢れかえっています。特に異性との関係を築くのに<strong>吊り橋効果</strong>や<strong>単純接触効果</strong>など心理テクニックのようなものが紹介されるのを見かけたことがあるはずです。</p> <p>確かに<strong>吊り橋効果</strong>で得られるドキドキは異性に対する興奮として処理される可能性はありますし、<strong>単純接触効果</strong>によりコミュニケーションを取る回数が増えればそれだけ好感度が高くなることも有りえます。</p> <p>ただ…この2つの心理効果は<strong>「悪印象も強化される」</strong>ことがあまり知られていないのでは無いでしょうか?</p> <p>もし「この人キモい」と思われていた場合、吊り橋効果によりドキドキしたとしても、それは嫌悪感からくるものと処理され、「え?何?この人超キモいんだけど…?」と印象がより悪くなることもあります。</p> <p>どうにかして接触回数を増やせたとしても、「キモイ」と思われていれば、それを払拭しない限り会えば会うほど「無理」が強くなり、完全な拒絶に近づいて行きます。</p> <p>更に言うと、<strong>単純接触効果</strong>はどの程度の接触で好感度が増えるかは人によって異なり、その範囲を下回ると好感度の上昇は起こらず、上回ると逆に好感度が下がります。(後者については「飽きる」とか、毎日同じものを食べて嫌になるみたいな感覚が近いかも知れません)。</p> <p>つまり、対個人で利用するにはその人にとって丁度良い刺激がどの程度であるかをまず見極める、なんて非常に難しいことをしなければなりません(だからこそ集団の数%が反応すれば言い広告などではよく使われている)。</p> <p>他にもNLPのテクニックで有名な<strong>イエス・セット</strong>や<strong>バインド</strong>も同じで、悪印象打ち消していない状態では効果は見込めません(NLPはエリクソンが行っていた催眠誘導のテクニックを体系化しようと試みた結果生まれたもの)。</p> <p>印象が悪い状態でイエス・セットを繰り返した後に「じゃあ、食事でもどう?」と聞いても「<strong>は?なんで?</strong>」となるのが落ちですし、「映画にする?それとカフェ?」とダブル・バインドをしても「<strong>だが断る</strong>」と、第三の選択肢が生まれるだけです。</p> <p>そもそもイエス・セットとダブル・バインドは誤解が多く、本来の使い方を日常会話に組み込むのはかなり難しい問題があります。本来のイエス・セットは30回以上の質問をするため日常会話に組み込みにくく、ダブル・バインドはそもそも2つの選択肢を迫る手法ではないこともあまり知られていないんじゃないかと。</p> <p>いずれにせよ巷で紹介される心理テクニックはまず効果が怪しく、また<strong>「最低限、悪印象を持たれないキャラクター</strong>」を持っていないと逆効果になりかねません。</p> <h1>前提3:スタートラインに立つこと</h1> <p>悪印象を覆すだけのスペックや魅力が無い場合、どんな心理テクニック()も効果は発揮されません。</p> <p>私はこれを「<strong>スタートラインに立っていない</strong>」と表現しています。</p> <p>ナンパ術やコミュニケーション術はスタートラインに立っている人のためのテクニックであって、スタートラインに立てない人がいくら使っても効果はない…だけではなく、既に述べたように逆効果になるリスクすらあります。</p> <p>自称コミュ強のオッサンによる過剰なボディタッチとかテキストメッセージ(LI◯Eなど)がキモくなりがちなのは直感的に理解しやすいんじゃないかと。</p> <p>スタートラインとしては外観と声を整えることが第一歩となります。</p> <p>特に外観の良し悪しは大事で、イケメンが有利なのは間違い有りません。ただ、スタートラインに立つことを考えるとイケメンになる必要はありませんが、キモさを打ち消すのは最優先でやるべきことです。</p> <p>脂ギッシュになっていないか、髪は整えられているか、フケは出ていないか、服装はサイズの合ったものを着ているか…この辺もだいたいコミニュケーション系の書籍で「清潔感が大事」みたいな形で言われてますね。</p> <p>鼻毛が出ている人がロマンティックな話をしたり、哲学を語ったところで笑いにしか繋がりません。</p> <p>外観や声の話をすると長くなるためここでは省略しますが、気になる方は<a href="https://amzn.to/3qnRLRZ" target="_blank">ナンパ本</a>や営業向けの本を読んで見てください。</p> <p>ちなみに、金銭に余裕のある人はスタイリストに相談する、美容院で髪型を良い感じにしてもらいセレクトショップで店員に似合いそうな服を見繕ってもらうのが手っ取り早いです。</p> <p>身体は引き締まっていたほうが間違いなく有利で、筋肉量は一般的なマッチョレベルまでは好感度が上がり続けるとも言われています。</p> <p>また、筋肉をつけることで姿勢が良くなる、睡眠の質が改善されることで肌艶が良くなる、またメンタルが改善効果で余裕のある態度が生まれる、など多くのメリットがあります。</p> <p>いわゆる<strong>「筋トレ万能説」</strong>ってやつですね。</p> <p>声については、内容が伝わる程度の声量と滑舌があれば充分で、後は集中を阻害しないような声質や話し方をしていなければイケボである必要もありません。</p> <p>姿勢や声については周囲の人から変だとか何か指摘がない限りは特別矯正する必要はありません。</p> <p>いずれにせよ、<strong>「最低限、話を聞いてもらえる状態」</strong>が目標であり、理想を目指すというよりは弱点を潰す方向性になります。もちろんすべての水準が高いほど有利なのは間違いありませんが、スタートラインに立つ意味では RPG で話しかけられる村人くらいで充分です。</p> <p>究極的に言えば、話を聞いてもらえるのであれば見た目は悪くても問題ありません。後に世界中に信者を持つようになったイエス・キリストだってブサメンだったと聖書のどこかで描写されています。</p> <p>外観や言動は認知負荷がより少ない(或いは予測可能性が高い)状態を目指すと良いのですが、これは好感度に影響する部分であり今回の主題である人心操作とは微妙に異なるため別の機会にします。</p> <h1>本題:人を操る極意とは</h1> <p>そもそも「人を操る」理由は何でしょうか?操ることで得られるメリットとは何でしょうか?</p> <p>私見ですが、「相手がこちらの要求通りのことをしてほしい」が操作したい根幹にあると思います。</p> <p><br></p> <p>つまり!</p> <p><br></p> <p>人を操る極意とは…</p> <p><br></p> <p>…</p> <p><br></p> <p><strong>「同意を得る」</strong></p> <p>これに尽きます。</p> <p><br></p> <p>…</p> <p><br></p> <p>…</p> <p><br></p> <p>がっかりしましたか?</p> <p>別にこれネタではなく、極意という意味では「同意」を得るのが最適解になります。</p> <p><strong>A:「明日デートしませんか?」</strong></p> <p><strong>B: 「いいよ」</strong></p> <p><br></p> <p><strong>A: 「10万円欲しい!」</strong></p> <p><strong>B: 「どうぞ!」</strong></p> <p><br></p> <p><strong>A: 「神を信じましょう」</strong></p> <p><strong>B: 「信じます」</strong></p> <p><br></p> <p>相手が一発目で同意をしてくれた場合すべての問題が解決されるわけです。というか、世の中に交渉術系のテクニックは色々とありますが、ほとんど全てが「同意を得る」ための手法です。</p> <p><strong>イエスセット</strong>、<strong>ダブルバインド</strong>、<strong>フット・イン・ザ・ドア・テクニック</strong>、<strong>ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック</strong>などの固有の名前が付いたものに限らず、<strong>希少性を演出する</strong>、<strong>メリットを提示する</strong>、<strong>時間制限を設ける</strong>なども、全て「同意を得る」ためにやっていることです。</p> <p>承認を得るのも同意を取るためのステップと言えます。例えば、占い師などが使うコールド・リーディングは<strong>「私はあなたのことを理解している人だと思いますが、どうでしょうか?」</strong>と相手から立場の承認を得るためのテクニックに該当します。</p> <h2><strong>結論</strong></h2> <p>人を操れるかは<strong>「同意」を如何に得られるか</strong>に掛かっています。</p> <p>裏のテクニックとか「誰も知らない〜」みたいなテクニックは存在せず、ここには正攻法しか有りません。</p> <p>催眠誘導も究極的には「これで催眠に掛かってくれませんか?」と説得していることに変わりありません。詐欺師もカルト宗教も同じです。</p> <p>催眠やそれに類似する手法によって行われた犯罪が表に出ないケースが多いのは、上手く同意を得ているからに他なりません。巧妙であればあるほど、被害者(?)は自らの意思で選択したと感じるため、そもそも犯罪として訴えるということをしないわけです。優れた詐欺師はそもそも被害者が詐欺に気が付かないに通じます。</p> <h1>もう少し続けます</h1> <p>ここで終わってしまっても良かったのですが、それだけでは面白くないということで、もう少し続けます。</p> <p><strong style="background-color: rgb(255, 255, 255);">※結論は既に出ているため、ここから先を読む必要は殆どありません</strong><span style="background-color: rgb(255, 255, 255);">。</span></p> <p>人を操りたいと思うならどうにかして同意を得る努力をすべきですしね? 続きを悠長に読んでいる場合ではありません。</p> <h2><strong>同意を得ることの重要性について</strong></h2> <p>他者を操作したい場合、同意を得るのが最も簡単な手段です。</p> <p><strong>「同意を得ること」</strong>と<strong>「意志に反した行動」</strong>は矛盾しているように感じるかも知れません。ところが、同意を得ることで最終的に意に反した選択をさせることも条件付きで可能となる場合があります。</p> <p>催眠誘導でもよく使われる手で、慣れた人は最初に同意を得る手法、いわゆる<strong>フット・イン・ザ・ドア・テクニック</strong>や<strong>イエス・セット</strong>から始まります。それこそ、座っている人に対して、「もう少し椅子に深く腰を掛けて下さい」とか「少しだけ足を横にずらして下さい」など、非常に些細なことから始めます。</p> <p>この時点で拒否する人は少ないですし、仮に拒否された場合はまだ催眠誘導を始めるタイミングではないと言えます。それか非常に相性が悪いかです。相性が悪い場合はチェンジをするか、もう少し時間を掛けて信頼を得るように話を進めていきます。</p> <p><span style="background-color: rgb(255, 255, 255);">(NLP的な用語を出していますが、</span><strong style="background-color: rgb(255, 255, 255);">「一貫性の原理」</strong><span style="background-color: rgb(255, 255, 255);">と言えば分かる人が増えるかも知れません)</span></p> <p>いずれにせよ、最初のステップは小さい同意を得ることです。そんな小さな同意で良いの?と思うかも知れませんが、小さくても同意を得るのと得ないのとでは大違いで、この後の一貫性に大きく関わってきます。</p> <p>ちなみに、この一貫性もやっぱり最低限の信頼関係などが無いと効果は発揮しませんし、あまりにも不利益が大きい時ですらそれを保つ人は稀です。逆に言えば不利益があるにも関わらず一貫性を保とうとする人いるわけですが、そういう人は業界用語で<strong>カモ</strong>と呼びます(嘘)。</p> <p>ここからが本題です。</p> <p><strong>同意を得る最大の目的は、同意を得られるからです</strong>(ぉぃ)</p> <p>言葉遊びではなく実際に言葉通りの意味で、どういうことかと言うと…</p> <h1>その前に…</h1> <p>この辺から有料部分になるわけですが、ここから催眠誘導に関する基本的な手法の話になることを先に言っておきます。ただ、宗教活動や営業で似たような手口も存在しますし、そこそこ馴染み深いとは思うので催眠について特に知らなくても問題ありません。</p> <p>ちなみに、基本的な手法ではあるものの、個人的にこの基本はある種の極意だと考えています。<strong>「基礎こそ奥義」</strong>みたいな感じですね。</p> <p><br></p> <p>また勘の良い人はここで紹介する基礎的な部分さえ分かれば、後は自由に組みてることができると思いますし悪用ができなくもありません。</p> <p>ただ、内容には具体例はありませんし、読んだからといって全てを理解できるとも限りません。また、催眠に限らず人を説得する際に使われる基本的なテクニックでもあるため、既に知っている可能性も十分にあります。(個人的な感覚としては、これを重視している人はあまり多くない印象です)</p> <p><br></p> <p>何度も繰り返していますが、結論は既に出ているため、ここからはおまけみたいなものです。</p>

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